「北海道南東部でウニ・サケ大量死」。
各メディアで取り上げられているこのトピックスに、大きな衝撃を受けた人も多いことだろう。人気食材のエゾバフンウニや、まさに今が旬の秋サケ。これらの海産物の被害総額は、46億円以上に及ぶという。なぜ赤潮によって、これだけの被害が起きてしまったのだろうか?
殻の黒いとげが抜けてしまい、白くなったウニの亡骸(写真提供:北海道釧路町役場)
9月下旬から報告され始めた赤潮被害は、まさに“災害レベル”
北海道南東部の太平洋沿岸で9月下旬以降、赤潮が原因とみられるエゾバフンウニやサケなどの大量死が確認されるようになった。水産庁などの各機関による調査により、その被害の全容が次第に明らかになってきた。
北海道は、被害総額は計約46億1100万円(10月8日時点)に上ると発表した。被害を受けた範囲は根室市から新ひだか町までの14市町に及び、ウニ約1500トン(被害額45億5500万円分)、サケ約1万7800匹(同5500万円分)が死んだと報告されている。
またウニ、サケ以外にも、サクラマス、つぶ貝、昆布などの海産物にも影響は及び、北海道の漁業者の方たちが受けている被害は、まさに“災害レベル”だ。
定置網で死んでいたサケ。普段は赤いえらが、白っぽくなってしまっている(写真提供:北海道釧路町役場)
赤潮を引き起こしたプランクトン「カレニア・セリフォルミス」とは?
赤潮とは、プランクトンの異常増殖により、海水が変色する現象。水が赤く染まることが多いため「赤潮」と呼ばれるが、原因となるプランクトンの色素によって水の色はオレンジ色や茶褐色になることもある。赤潮が発生すると、プランクトンが魚のえらに触れることが原因で障害をおこし呼吸できなくなったり、プランクトンが大量に酸素を消費するため海水の酸素が欠乏したりして、海の中の生物の死を引き起こす。
今回、広範囲にわたる被害を引き起こした赤潮を調査したところ、「Karenia selliformis(以下 カレニア・セリフォルミス)」というプランクトンが原因であることがわかった。このプランクトンによる赤潮の発生は日本初だという。プランクトンについて研究されている東大大学院農学生命科学研究科の岩滝光儀准教授(系統分類学)に話を伺ってみた。
こちらの続きはocean+αでどうぞ
ダイビングと海の総合サイト・ocean+α ウニ・サケが大量死! 北海道の赤潮・原因のプランクトンとは!?
コメント