知ることで物事の考え方が少し変わり、行動に繋がる。
そんなキッカケになるコラムを、環境と海洋問題に関係している事を中心に。
一回目は、動画サブスクリプションサービスNetflixで配信されているドキュメンタリー映画「Cowspiracy: サステイナビリティ(持続可能性)の秘密」から考える、私たちの手に渡る前に海洋汚染に大きく関わっている意外な産業について。
あらすじ
■予告映像
本ドキュメンタリー映画は、環境保護団体が隠す不都合な真実として、「畜産業がいかに環境破壊に深く関わっているのか」また、多くの環境保護団体がその事実を知りながらも、「何故畜産業について取り上げないのか?」について取材を通じて明らかにしていくという内容。
海洋問題と畜産業の関係
衝撃を受けた事実としては、畜産業が大きく海洋汚染に関与していた事。
大きくまとめると問題なのは「水消費」と「排泄」。その他にも、森林破壊や貧困にも繋がっていますが、今回は海に直接関わる問題としてこの2つをフューチャーしてみた。
credited by Pexels Matthias Zomer
1リットルの牛乳のために1000リットルの水が必要?
まず最初に、人類と家畜の給水量と食糧の比較。
※映画内の数値を参照
- 人類(約70億人)は、毎日200億リットル近い水を飲み、10億キロの食料を食べる。
- アメリカの家畜である15億頭の牛は、毎日1,700億リットルの水を飲み、600億キロ近い餌を食べる。
人々が食べるために育てられている動物の生産に、人類の倍以上のものすごい量の水と食糧が使われている。
- 1リットルの牛乳のために1000リットルの水を使う
- クォーターパウンダーバーガーを1つ生産するのに約2,500リットルもの水を使用(シャワー2か月分に匹敵)
この量があれば、環境問題だけでなく、貧困問題も解決することができるのではないだろうか?
畜産業で出た「排泄物」がそのまま海へ
家畜が排出する糞やオナラにはメタンが多く含まれており、アメリカで行われている畜産業だけでみても毎日5,678億リットルもの排泄物が出ているという。これは、人類が出す量の130倍に及ぶ。
しかも、何も処理が施されず、土や川などを通じて海へ垂れ流し状態。また、家畜が毎秒約53トンの排便をしており、それを年間に換算した時、サンフランシスコ、ニューヨーク、東京、パリ、ニューデリー、ベルリン、香港、ロンドン、リオデジャネイロ、デラウェア州、バリ島、コスタリカ、デンマークを埋め尽くす量だ。
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それが、世界中の海で500カ所以上の酸欠海域を生み出し、約25万平方キロの海域で生物が死滅している。海は、ゴミ箱じゃないし、排泄物を綺麗にしてくれる魔法の水でもない。そう考えると、今までに垂れ流しにされた排泄物は今どこにたまっているのだろうか?プラスチック問題も大きく海洋汚染に関わっているが、畜産が一番影響を及ぼしていると映画に出演している研究者は言っている。
2048年には海から魚が消える!?
畜産業だけでなく漁業についてもこの映画では触れられている。
こちらの続きはocean+αでどうぞ
ダイビングと海の総合サイト・ocean+α 【Let’s know it!】家畜と海洋汚染の繋がり
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