技術が向上したことで、人々が捨てたゴミはできる限りリサイクルされ、もう一度資源として役立つよう工夫がされています。
しかし、すべてをリサイクルできるわけではありません。
ゴミを燃やした後に出る灰や、リサイクルが難しいゴミついては最終処分所と言われる、ゴミ埋立地に捨てることになります。
もし、この最終処分場がゴミでいっぱいになってしまったら、いったいゴミの処分はどうなってしまうのでしょうか。
ゴミの終着点とも言える最終処分場が、どのような問題を抱えているのか考えてみましょう。
残り20年ほどで最終処分場が限界!
平成30年3月に環境省から発表された「一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成28年度)」によると、全国の最終処分場の状況は以下の通りでした。
残余容量が9,996万m3(前年度が1億404万m3)
残余年数が20.5年(前年度が20.4 年)
あと、20年もすれば最終処分場はいっぱいになってしまい、ゴミを捨てる場所がなくなってしまう、ということです。
グラフで見ると、最終処分場の残余年数が年々上がっているのがわかります。
これはゴミの排出量が年々下がっていることが原因と考えられます。
ピークであった平成12年(2000年)が5.483万トンであったのに対し、平成28年(2016年)は4.317万トンまで減少しています。
なぜ、ゴミの排出量が下がっているのかと言えば、景気の低迷や人口減少の影響もあります。
また、1990年代に多くのリサイクル法が制定され、循環社会を目指すために法律が整備されたことも原因として挙げられるでしょう。
それでも、最終処分場の残余年数が20年と言うのは決して長い時間ではないでしょう。
特に都会ではゴミの排出が多く、都会で出たゴミ処理を地方に負担させてしまう、といった問題もあります。
これらの問題を少しでも解決するためには、多くの人が3Rを意識して、できるだけゴミを出さないように意識する必要があるでしょう。
最終処分場を新設できない?問題と原因
「ゴミを捨てられなくなる前に、最終処分場を増やせばいいじゃん!」と考える人もいるかもしれませんが、最終処分場を増やすのは簡単なことではありません。
最終処分場を新設できないのは、様々な問題が原因となっているからなのです。
土地の確保
まず最終処分場を作るための土地を確保すること自体が困難です。計画的に適切な立地が必要ですが、適正な土地を簡単には見つかりません。
周辺住人の理解
最終処分場を建設する土地を見つけることが困難な理由として、住民の理解の問題があります。例え、最終処分場を建設する計画が立ち上がったとしても、住人の理解を得られず反対があって建設まで至らないことがあります。
環境への影響
周辺住人の反対理由としては、やはり環境への影響が大きいところです。有害物質による健康への影響や農作物への被害。河川の汚染や生態系への影響など。如何に最終処分場のシステムが向上したとは言え、簡単には解決できる問題だとは言えないでしょう。
最終処分場の寿命を延ばすには?
リサイクル技術の向上や法律の整備により、ゴミの排出量は減っていますが、まだまだ最終処分場の寿命問題は解決できないと言えます。
すべてのゴミをリサイクルして再資源化する技術を実現するのは大変困難であることは想像するまでもありません。
これからも私たちは最終処分場と付き合い、できるだけ最終処分場の寿命を延ばせるように意識をしなくてはならないでしょう。
そのためにも、ゴミを出さないように意識することや、自分ができるリサイクルを考えなくてはいけません。
ぜひこの機会に、ゴミが増えないために自分に何ができるのか、ということを簡単なことからでも考えてみてください。
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