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アマランサスとは?栄養豊富な植物が未来の食糧確保すると世界が注目!

「アマランサス」という植物を知っていますか?あまり聞きなれない名前ですが、未来の食糧不足を救ってくれるかもしれない植物なのです。少し前からブームになっている「キヌア」と同様に、スーパーフードとして種の栄養が注目されています。そこで今回はアマランサスとキヌアの栄養価を比べたり、アマランサスが注目される理由、調理法までをご紹介します!

目次

アマランサスとは一体何なのか?栄養価の違いと効果をキヌアと比較

「アマランサス」と「キヌア」は、どちらもスーパーフードとして種が注目されています。でもどちらの方が、どんなふうによいのでしょうか。それぞれの栄養価の特徴についてお伝えします。

そもそもアマランサスとは何なのか?

アマランサスとは、ヒユ科ヒユ属(アマランサス属)の南米原産の植物。「花がしおれることがない」という意味のギリシャ語「アマラントス」が名前の由来です。種を食べる用、葉や茎を食べる用、観賞用が栽培されています。

WHO(世界保健機構)はアマランサスを「未来の食物」「スーパーグレイン(驚異の穀物)」として注目。種だけでなく、実は葉や茎も栄養価が高く、植物全体が栄養豊富なスーパーフードなのです。

アマランサスの起源は、紀元前5,000年~3,000年前に古代メキシコのアステカ族が、アンデス南部で栽培したのがはじまり。当時はトウモロコシと並ぶ主要作物の一つでした。米のように主要作物として食べられていた、栄養豊富な植物だったのです。

日本へは江戸時代に、観賞用として入ってきました。一部の地方では、アカアワという名で食用として栽培もされていたようです。

栄養価と効果などキヌアとの違い

同じくスーパーフードとして知られる「キヌア」とは、どんな違いがあるのでしょうか。栄養価と効果に注目して比べていきます。

以下の表は、文部科学省が発表している「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」のデータを参考にして作成した、キヌアとアマランサスの栄養価を比較したものです。

キヌアとアマランサスの栄養価の比較

成分名 キヌア アマランサス
エネルギー 359 358
たんぱく質 13.4g 12.7g
アミノ酸組成による
たんぱく質
9.5 12.5g
カリウム 580mg 600mg
カルシウム 46mg 160mg
マグネシウム 180mg 270mg
リン 410mg 540mg
4.3mg 9.4mg
亜鉛 2.8mg 5.8mg
マンガン 2.45mg 6.14mg
ビタミンB1 0.45mg 0.04mg
ビタミンB2 0.24mg 0.14mg
ビタミンB6 0.39mg 0.58mg
葉酸 190μg 130μg
食物繊維 6.2g 7.4g

キヌアは、たんぱく質やビタミンB1・B2、葉酸が多く、アマランサスはアミノ酸や、カリウム鉄・亜鉛などのミネラル、ビタミンB6、食物繊維が多いことがわかります。

キヌアに比べてアマランサスには、特に鉄や亜鉛、ビタミンB6といった、血液をつくる成分が多いことが特徴。アマランサスの鉄分は白米の約11倍、キヌアの2倍近くもあります。亜鉛についてもキヌアの約2倍、ビタミンB6も約1.5倍と高く、貧血になりやすい女性にはとくにおすすめです。

さらにリジンという必須アミノ酸が多く含まれ、たんぱく質の吸収やブドウ糖の代謝を促すことから、疲労回復や集中力アップに働きかけます。脂肪の燃焼を助ける効果もあるため、ダイエットにも注目の植物です。食物繊維も多く、便秘解消に役立つなど、女性にうれしい効果がたくさんつまっています。

参考:文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)について

アマランサスの栄養価が注目される理由は、未来の「食糧確保」にあり

アマランサスは、単に栄養豊富な植物として注目されているわけではありません。世界保健機構(WHO)がアマランサスを「未来の食物」として注目している理由は、未来の食糧確保に重要な食物であるためです。

世界の人口は、2050年には現在の1.3倍も増えるとされています。人口が増えることで、今より1.7倍もの食糧を生産する必要があるのです。しかし世界で栽培されている主な作物(穀類、豆類、野菜、果実など)は約30種類と意外に少なく、収穫量を増やすために遺伝子組み換え作物が栽培されています。

遺伝子組換え作物が増えることで、もともと存在している野生植物や作物が減少することも心配されているのです。また、同じような気候や環境で栽培される作物だけでは、急な気候変動によって作物が採れなくなる危険も考えられます。

そこで注目をあびたのがアマランサスです。米や小麦、大豆が育ちにくい熱帯地域でも栽培が可能なことや、干ばつへの強さ、成長の速さ、栄養価の高さから、未来の食糧確保に期待されている のです。

米や小麦、大豆などの作物と同時に、アマランサスのような別の特徴をもった作物を栽培することで、食料の収穫量を増やし、環境の変化にも柔軟に対応できます。このような農業形態を「マルチカルチャー」といい、世界の食糧不足には欠かせない新しい農業のあり方として注目されているのです。

参考:生活科学研究誌・Vol.14 アマランサスの食品栄養学的研究から見えてくるもの

アマランサスの栄養をしっかり摂れる調理法!種、茎、葉もおいしく食べよう

栄養豊富な世界も注目する「未来の食物」ともなれば、食べてみたくなるもの。でも見たこともない植物を、どのように調理すればよいかわかりませんよね。ここではアマランサスの種、葉、茎の栄養を摂れる調理法をご紹介します。

種の調理法


アマランサスの種は直径1mm程度と、2mmのキヌアより小さいサイズ。キヌアのように主食として食べるには不向きなため、トッピングに使いましょう。生のままでは消化に悪いため、火を通して調理します。

おすすめの調理法は、二つあります。一つは、乾煎りする方法。フライパンで種を乾煎りし、ポップコーンのようにはじけさせます。これをサラダやお浸し、スープなどのお料理にトッピングして使いましょう。ケシの実のようにお菓子のトッピングに使うこともできますよ。

もう一つは、お米と一緒に炊く方法。2合のお米に対して、大さじ3杯の種をいれて一緒に炊きます。たらこのような、プチプチした食感を楽しめますよ。

葉や茎の調理法


葉や茎は、クセのないホウレンソウのような味で食べやすいのが特徴。繊維も残りにくくて柔らかいので、お子さんでも食べやすいですよ。

茹でてお浸しにしたり、生のままサラダとして食べたりもできます。油との相性も良く、野菜炒めに使ったり、てんぷらにして食べたりと様々な料理に活用できます。

ちなみにわたしは、白和えにして食べました。茎には少々苦みを感じましたが、葉にはクセがなく、とても食べやすい味でした。わたしの子どもはパクパク食べていましたよ!

スーパーフード「アマランサス」が世界の食糧危機を救う?

未来の人口増加に対応するためには、食糧確保が必要です。米や小麦、大豆といった、これまでの作物のほかに、あらたな作物の栽培をするマルチカルチャー(生物多様性重視型農業)が世界の食糧危機を救う鍵になるかもしれません。アマランサスはマルチカルチャーを実現する植物の一つとして、世界の食糧危機を救う可能性を秘めています。そんな「未来の食物」を、あなたも先取して食べてみませんか。

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