リサイクルが環境にとって良いことであると知っていても、何がどのようにリサイクルされているのか知っている人は多くはないでしょう。
日々、捨てているゴミがその後、どのようにリサイクルされて、何になるのか、そんなイメージができるだけでもリサイクルへの認識が変わってくるのではないでしょうか。
どのようなゴミがリサイクルできて、その後ゴミが何になるのかをご紹介します。
目次
ペットボトル
石油から作られるペットボトルは、飲み物の容器として大変便利のため、多くの人が利用します。
回収された後は洗われて細かく砕かれます。
その後、加工されて再びペットボトルとして生まれ変わるか、以下のようなものの原料として生まれ変わります。
繊維製品
- 車の天井
- 床材の内装材
- 吸音材
- 作業服
- 学生服
- スーツ
- カーペット
シート
- 食品用トレイ
- 卵パック
- フルーツパック
- 防草シート
- 下敷き
成型品
- 台所用洗剤ボトル
- 食品用パウチ
- 回収ボックス
- セロテープ台
アルミ缶
缶ジュースや缶詰の缶として利用されるアルミニウムでできた缶がアルミ缶です。
軽くて柔らかいことが、アルミニウムの性質です。
回収されたアルミ缶はまとめて押しつぶされ、アルミニウムの原料となります。
半分以上は高温で溶かし、再びアルミ缶として利用されます。
もう半分は良質な鉄を造る材料として使われます。
自動車の部品として再利用されることでも知られています。
スチール缶
スチール缶はアルミ缶のように缶ジュースや缶コーヒーとして利用されますが、硬い性質が特徴です。
高温加熱殺菌が必要な飲み物を入れる缶には、強度が高いスチール缶が使われます。
スチール缶もまとめて押しつぶされて、鉄の原料となります。
高温で溶かされたスチール缶は、スチール缶として蘇るだけではなく、鉄筋や鉄骨、鉄板として再利用されます。
ガラス瓶
ガラス瓶はケイ砂、石灰石、ソーダー灰などの資源と、瓶を細かく砕いたガラス屑(カレット)によって作られます。
ガラス瓶は何度もガラス瓶としてリサイクルできることが特徴です。
ガラス瓶にはリターナブル瓶とワンウェイ瓶があります。
リターナブル瓶は何度も利用が可能な瓶で、回収された後に、工場で綺麗に洗浄されて、お店で売られる瓶として再利用されます。
ワンウェイ瓶は一度きりしか使えない瓶で、回収された後、色で分けられて細かく砕き、カレットになります。
これを瓶の原料として使用するか、アスファルト塗装やタイル、カラー舗装や断熱材の原料として使われます。
発泡スチロール
発泡スチロールはほとんどが単一素材です。
そのため、分別が容易で熱や圧縮で体積を減らすことができ、リサイクルと相性が良い資源です。
再び発泡スチロールとして使われることはもちろん、文具や合成木材として再利用されます。
プラスチック製容器包装
プラスチック製容器包装は幅広く疲れています。
プリンやヨーグルトが入っているカップや、肉や魚のような食品を入れるトレイ、お菓子を入れる袋やレジ袋なども、プラスチック製容器包装が使われています。
石油から作られたプラスチック製容器包装は、軽くて様々な形で作ることができる性質が特徴です。
プラスチック製容器包装はリサイクル後、フォークリフトで物を運ぶ際に荷台として使うパレットや、擬木、プランターなどを作られるために使われます。
また、プラスチック製容器包の60%はゴミとして燃やしたときの熱で発電するなど、熱利用として使われます。
紙・紙パック
雑誌や新聞、段ボールのような紙は古紙として回収された後、パルプと言われる紙の原料として再利用されます。
雑誌は段ボールや絵本にリサイクルされ、新聞も再び新聞紙としてリサイクルされます。
牛乳パックのような紙パックは、古紙とは別の処理が必要です。
なぜなら、牛乳パックは水でふやけたり、菌が入ったりすることがないように、紙の両面をポリエチレンで覆っているからです。
紙パックは古紙とは別に回収し、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどにリサイクルされます。
生ゴミ
生ゴミは地域によっては回収後に、専用の施設に運び込まれ、リサイクルされます。
生ゴミは堆肥としてリサイクルされ、再び畑で野菜の栽培に役立ちます。
そして、また栄養豊富な野菜として一般家庭に並び、残ったものは生ゴミとしてリサイクルされます。
携帯電話
多くの人が利用している携帯電話は、数年に一度新しいものに取り換える人がほとんどでしょう。
実はこの携帯電話には金、銀、銅のような貴重な資源が使われています。
金が含まれる量は、携帯電話一台につき約0.02~0.05g程度ですが、携帯電話の利用者の数を考えると決して少なくはない数でしょう。
しかし、電気通信事業者協会によると平成28年度の携帯電話の回収率は17.4%と決して高くはない数字でした。
携帯電話リサイクルの認知度が上がれば、大きな価値を生むことが期待できるでしょう。
家電製品
家電製品は2001年3月までは粗大ゴミとして埋め立てられていました。
しかし、家電製品には鉄や銅、アルミやプラスチックなど多くの資源が使われています。
そのため、2001年4月から家電リサイクル法が制定され、これらの資源を有効活用することが決まりました。
家電製品は回収後、リサイクル工場で分解され、鉄や銅のような原料を取り出します。
ここで取り出された資源は再び、様々な製品として生まれ変わります。
より良い循環型社会の実現へ
皆さんの身の回りで、よく排出されるゴミのその後をご紹介しましたが、いかがでしょうか。
少してもゴミがリサイクルされ、環境や社会に役立っているとイメージができたのであれば、そのイメージがゴミへの意識を変えるかもしれません。
そして、それがより良い循環型社会を実現し、ゴミのない世界を実現できるかもしれません。
そんなより良い世界のために、これからもリサイクルについて一緒に考えていきましょう。
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