(C)創通・サンライズ
前回のアニトピアでは「機動戦士ガンダム」から見る、人口増加による環境問題をご紹介しました。
今回も引き続き、ガンダムから見る環境問題、主に移民問題についてご紹介します。
また、地球から得られる恵みの大切さについても、触れたいと思います。
前回の記事をお読みでない場合は、ぜひこちらからチェックしてください。
宇宙移民者たちの生活
前回、機動戦士ガンダムでは、連邦軍とジオン軍に分かれて、戦争をしていると説明しましたが、なぜ戦争が起こってしまったのでしょうか。
もちろん、ジオン公国が地球連邦に対して、独立戦争を仕掛けたことが始まりですが、どうしてジオンは独立したいと言い出したのでしょうか。
それは、移民による理不尽な生活があったからなのです。
まず、宇宙の暮らしは、地球の生活に比べると劣悪な環境です。
私たちの世界の、今の技術から想像できるように、宇宙での生活は大変過酷であることが想像できます。
私たちが飲む水や食料、服や娯楽も、すべては地球の自然から得られる恵みを利用しています。
しかし、ガンダムの世界で宇宙に移民した人々にとって、それを得ることは大変困難なものでした。
そのため、彼らは水や空気を自分たちで作る必要があり、それらを利用するには税金を支払う義務があったのです。
つまり「空気を吸いたいなら税金を払え。水を飲みたいなら税金を払え」と言った状態です。
移民させられた人たちからしてみれば、これは大きなストレスではないでしょうか。
食料の確保や排泄物の処理にも同じことが言えます。
地球では自然から食料を得て、自然の力を借りることで排泄物を分解できますが、宇宙ではそうはいきません。
私たちが当然のように受けている、地球からの恵みが突然ストップしてしまうなど、考えられないことです。
宇宙に移民させられた人たちは、そんな環境に耐えながら、さらに重い税金まで支払わなければならなかったのです。
そして、彼らが収めた税金がどこに支払われているのかと言えば、彼らに移民を強制した、地球に住み続けている政治家たちです。
移民計画を立ち上げ、多くの人を宇宙へと強制的に移民させたにも関わらず、その政治家や特権階級を持つ人間たちは地球に居座り続け、やりたい放題、快適な暮らしをしていたのです。
これは宇宙に移民した人たちが怒るのも仕方ない…。
そして、そんな宇宙で暮らす人たちの意思が形となるようにして、ジオンが誕生することになります。
戦争へと発展
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移民から半世紀が経つと、スペースコロニーに住む人々は自給自足ができるようになりました。
そうなると、宇宙に移民した人たちは、地球の連邦政府の人間たちが、地球の環境や資源を好きにしながら、自分たちを支配していることに対して、不満を覚え始めたのです。
そこで登場したのが、ジオン・ズム・ダイクンでした。
ジオン・ズム・ダイクンは地球連邦議会の議員でしたが、コロニーは自治が可能であると提唱し、自ら独立運動を先導します。
彼は地球から最も離れたスペースコロニーであるサイド3をジオン共和国として独立宣言をします。
しかし、ダイクンは病に倒れてしまい、彼の同志であったデギン・ソド・ザビがサイド3をジオン公国として引き継ぐことに。
その際、デギンは「ダイクンの死は宇宙移民者の独立を嫌った地球連邦政府にって暗殺された」と発表しました。
(余談ですが、ダイクンを暗殺したのは、このデギン・ソド・ザビです。彼はジオンの実権を握るためにダイクンを暗殺したのでした。そして、物語の主要人物であるシャアは、実はジオン・ズム・ダイクンの息子であり、ガンダムのストーリーはシャアによる、ザビ家への復讐劇でもあります)
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その後、デギンの長男であるギレン(なんとこの人のIQは240!)が宇宙の人々を扇動し、「ジオン国民は選ばれた人種である」と選民思想を植え付けます。
さらに、彼は新兵器である人型兵器「モビルスーツ」の開発を進めることで、軍備増強を図るのでした。
そして、ついにジオンは地球連邦に宣戦布告することになります。
これが一年戦争と言われる機動戦士ガンダムの世界における大きな戦争の始まりです。
また、戦争は大きな環境破壊につながります。
生態系の破壊、二酸化炭素の排出など、多くの環境問題を発展させる恐れがあるでしょう。
ガンダムの世界では、地球環境を回復させるために始めた移民計画が、地球を汚染する戦争を始める結果となってしまった、と言えるのです。
与えられたものの中で最大限に考えて生き延びる
このように、人口増加の問題や移民問題は戦争に発展してしまう恐れがあります。
この他の環境問題についても、似たような状況に発展する恐れがあるのではないでしょうか。
それだけ、地球に優しい社会を作り出すのは大切なことだと言えます。
私たちの文明では、まだまだ宇宙に住むことは難しいでしょう。
地球の自然から与えられる恵みの中で、最大限にそれを活かして生活し、無駄を出すことがないよう、心がけることが必要です。
そのためにも、リサイクルやリユースを心がけ、環境に配慮した生活を続けていきましょう。
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