©武論尊・原哲夫/NSP 1983, 東映アニメーション 1987
北斗の拳と言えば、少年ジャンプで連載されていた伝説の漫画の一つです。
その高い人気は、1980年代の連載当時はもちろん、現在もゲームや派生作品などにより、ファンが増え続けている作品です。
そんな北斗の拳の世界は、核戦争により文明が崩壊し、とんでもない状況になっています。
私たちが暮らす世界でも、環境問題の悪化により、同じような状況になってしまう恐れがあることは、誰にも否定できないものです。
人間が環境を考慮せず、身勝手な行動を続けた結果、どのような世界になってしまうのか、北斗の拳を参考にしてご紹介します。
とにかく生活が苦しい
©武論尊・原哲夫/NSP 1983, 東映アニメーション 1987
北斗の拳では、地上は荒野となり国家機構は崩壊しています。
文明も崩壊しているようで、機械らしきものが使われる様子はほとんどありません。
電気や水道も整備されていないため、暮らしは安定せず、集落に住む人はいつもボロボロでくたびれた顔をした人ばかりです。
さらに、流通システムも崩壊しているため、通貨や貨幣は無価値であり、札束もケツを拭く紙にもならない状態です。
水や食料を得るためには、自分の力で狩猟を行うか、農耕を行うか、もしくは略奪を行うしか選択肢はありません。
しかし、農耕を行うためには土地が荒れているためか上手くいかず、そもそも穀物を育てるための種や苗が見つからないようです。
ミスミのじいさんも、半年探し回って何とか種もみを見つけられたのであって、明日のことを考えるので精一杯です。
©武論尊・原哲夫/NSP 1983, 東映アニメーション 1987
そのため、生き抜くには己の力のみが頼りとなります。
環境問題が悪化することで、異常気象や災害により、大地が荒れ、水不足がさらに深刻になれば、同じような状況になってしまうかもしれません。
悪いやつらが闊歩する
北斗の拳の世界では、各地で集落を築き、細々と暮らす人たちがいます。
前述したように、彼らは荒れた地で何とか農耕を行っています。
彼らは協力し合って畑を耕し、少ない食料を分け合っている状況です。
突然、世界が崩壊してしまったため、彼らは農耕のノウハウもない状態で荒れ地を耕している状況だと考えられます。
それは並々ならぬ苦労であるに違いありません。
しかし、やっとの思いで確保した食料も、トゲトゲが生えた肩パットとサスペンダーを身に纏ったモヒカンどもに略奪されてしまうことが多々あります。
©武論尊・原哲夫/NSP 1983, 東映アニメーション 1987
このモヒカンたちは、真面目に耕作するよりも、暴力で他人からモノを奪った方が生き残れると考えた不届きものたちです。
崩壊してしまった世界では、集落に集まって細々と畑を耕すか、頭をモヒカンにして村を襲撃する暴徒になるか、どちらかしか選択肢はありません。
むしろ、このような暴徒の方が多く、どこでガソリンを確保しているのか、モヒカンどもがバイクを乗り回しては、村々が襲われるような世界です。
中には、おばあさんに変装をして毒の水を出すものや、火炎放射器を持って暴れるやつもいます。
そんなやつらに捕らえられてしまうと、投獄されることもあり、そこには兜の中にありえない数の鞭を仕込んでいる獄長なんかもいるので、悲惨な目に合ってしまうのは間違いありません。
©武論尊・原哲夫/NSP 1983, 東映アニメーション 1987
もし、明日からそんな輩が跋扈する世界になる、なんてことになったら、無事に生活するのは困難でしょう。
環境問題が悪化することで、国家構造や文明が崩壊した世界では、このような悪漢が多発することは避けられないでしょう。
権力の集中
このような酷い世界になってしまうと、力あるものに権力が集中する恐れがあります。
北斗の拳の世界では、各地に権力者がいて、そのほとんどは短気で怒りっぽく、理不尽な行動をするものばかりです。
そんな権力者たちが、力を持っているがゆえに誰も逆らえず、庶民は貧しい生活をすることになります。
生活が貧しいだけではなく、強制的な労働も強いられます。
権力者がピラミッドを作りたいと言えば巨大ピラミッドを作らなければならないし、権力者が惚れた女に街をプレゼントしたいと言えば街も作らなくてはなりません。
運が悪ければ、映画なんかでもよく見る、謎の棒を複数人で押して回るやつにも参加しなければならいのです。
権力者にとっては、愛ゆえの行動であったとしても、そんな意味不明な目的に強制で付き合わされては、たまったものではありません。
ちょっと腕に自信があるからといって、権力者に逆らってしまうと、不思議な拳法によって血祭りにあげられてしまうため、我慢して従うしかないのです。
©武論尊・原哲夫/NSP 1983, 東映アニメーション 1987
環境問題が悪化することで、砂漠化が進み食料不足も深刻化してしまうと、このような外道な権力者たちにこき使われてしまうことだって考えられるのです。
海は枯れ地も裂けた
このように、北斗の拳の世界では、力のない人々は極限の生活を強いられています。
実際に環境問題により、水不足は深刻な問題であり、地球温暖化による干ばつの被害も恐ろしいものです。
数々の強敵(とも)を破った主人公、ケンシロウですら、第一話は水を飲めずに死ぬ寸前だったのです。
どんなに強くても、大地の恵みがなければ生きていけません。
アニメや漫画の中では、海は枯れて、地が避けたとしても、人類は生きていましたが、そのような状況になる前に、対策をしていく必要があるでしょう。
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