繰り返し揚げ物に使用した揚げ油を、どのように処理していますか?凝固剤で固めたり、新聞紙やキッチンペーパーに吸わせたりして、燃えるゴミに捨てている方が多いかもしれませんね。中には「少しくらいなら…」と、排水口に流してしまっている方もいるのではないでしょうか。
廃油を捨てると、水質汚染につながるだけでなく、貴重なエネルギー資源を捨ててしまっていることにもなるのです。
そこで今回は、「ご家庭で出た廃油をリサイクルできるアロマキャンドルの作り方」や、「廃油を回収し、資源として活用している企業」をご紹介します。廃油の可能性を知り、貴重な地球のエネルギー資源を大切に使いましょう!
家庭の廃油をリサイクルして作れる「アロマキャンドル」の作り方!
揚げ物に使えなくなった廃油を、容器に溜めている方はいませんか?そんな油を一気に消費できる、アロマキャンドルの作り方をご紹介します!
材料
廃油を使ったアロマキャンドルの材料は以下のとおりです。
- 廃油(なたね油などの食用油)
- 凝固剤(通常使用量の1.5~2倍)
- クレヨン
- 鍋
- カッター
- ジャムの瓶や耐熱ガラス容器
- たこ糸
- クリップ
- 割りばし
- アロマオイル(柑橘類の皮を搾った汁でもOK)
- 四角い浅型バット※マーブル模様を作る場合
作り方
それでは、作り方を見ていきましょう!
- 廃油の中に残った細かい揚げカスは、事前にフィルターなどで取り除いておく。
- たこ糸をガラス容器の高さより少し長めにカットし、片方をクリップで挟む。もう片方の端を割りばしで挟んで固定する。
- クリップを容器の底につけ、割りばしをガラス容器の口の部分に置き、たこ糸を垂らす。
- 好きな色のクレヨンをカッターで薄く削る(マーブルやストライプの模様にしたい場合は複数の色を削っておく)。
- 鍋に廃油を入れて熱する。
- 廃油が温まったら削ったクレヨンを入れ、混ぜて溶かす。
- 廃油の温度が80℃ほどに下がったら、凝固剤を入れて混ぜる。
- 60℃ほどに冷ましたら、アロマオイルを数滴入れて混ぜる。
- ガラス容器に廃油をゆっくりと注ぎ入れる。
- 廃油が固まって冷めたら、たこ糸から割りばしを外し、たこ糸を1cmほどの長さにハサミでカットする。
基本の作り方を応用すれば、さまざまなデザインのキャンドルを作れます。以下に、マーブル模様やストライプ模様のキャンドルの作り方をご紹介します。
マーブル模様のキャンドルの作り方
- 8までの工程で作った色付きの廃油を浅型のバットに入れ、固まるまで冷ます。
- 固まった廃油をスプーンで削り取る。
- 容器に削った廃油を入れる。
- 削った廃油を入れた容器に、2色目の廃油を流し込む。
- 削った廃油が溶けるように少しだけ混ぜる。
- 冷えて固まったら完成!
3色のストライプ模様のキャンドルの作り方
- 「作り方」の8までの工程で作った廃油を、容器の3分の1の高さまで入れる。
- 冷えて固まったら、2色目の廃油を3分の2の高さまで入れる。
- 2色目の廃油が冷えて固まったら、3色目の廃油を容器の高さまで入れる。
- 冷えて固まったら完成!
そのほかにも、ドライフルーツやドライフラワーを入れて固めるのもおすすめです。お店で売っているような、ボタニカルなアロマキャンドルを作れますよ。
廃油を家庭から回収してリサイクルしている企業をご紹介!
家庭で手軽にできる廃油のリサイクル方法はわかりましたが、頻繁に出る廃油のすべてを家庭でリサイクルすることは難しいですよね。実は、貴重なエネルギー資源を有効活用するために、家庭の廃油を回収してリサイクルしている企業があるのです。ここでは、3つの企業による、廃油回収の取組みをご紹介します。
有限会社丸新
有限会社丸新のホームページを見てみると、「家庭・企業から排出される廃食用油を回収、再資源化」と記載されていたため、家庭の廃油も回収しているのか問い合わせてみました。
すると、量によって回収方法は異なりますが、家庭の廃油も回収しているとのことです。量別の回収方法は、以下の通りになります。
- 「一斗缶2缶以下… 問い合わせ後、「丸新」へ元払いで配送
- 一斗缶2缶以上…問い合わせ後、自宅近くの住所までトラックが来て回収
家庭では一斗缶2缶以上になることはなかなかないので、配送の利用が便利かもしれませんね。回収対象地域は関東圏となるので、申し込む前に確認してみましょう。
回収された廃油はリサイクル工場にて精製され、家畜の飼料や堆肥の原料、石鹸、タイヤ、インキなどの原料にリサイクルされます。
参考:有限会社丸 廃油(天ぷら油、サラダ油)回収リサイクルの丸新
株式会社ユーズ
株式会社ユーズでは、 TOKYO油田2017というプロジェクトを実施しています。東京周辺の家庭や企業から排出された廃油を回収し、二酸化炭素の排出の少ないバイオディーゼル燃料・家畜飼料・畑の肥料・石鹸・キャンドルなどにリサイクルしているのです。
家庭から排出された廃油の回収方法は、東京・千葉・埼玉・神奈川・栃木・静岡などに設置された「回収ステーション」へ廃油を持ちこむスタイルです。ただし、企業から排出された廃油の回収方法は異なるので、注意しましょう。以下が家庭の廃油の回収ステーションになります。
参考:TOKYO油田回収ステーション 回収ステーション
各回収ステーションによって回収方法は異なりますが、以下の3タイプで回収しているそうです。
- 廃油をペットボトルに入れて運び、回収ステーションに設置された回収缶へ移す。
- 廃油を入れたペットボトルを回収ステーションに置いていく。
- 1・2のどちらもでもOK。
お住まいの地域の回収ステーションに問い合わせ、事前に回収方法を確認しておきましょう。
なんと廃油の回収トラックの燃料は、廃油をリサイクルしてできたバイオディーゼル燃料を100%使用しているそうです。その他にも、都内のコミュニティバスの燃料や、トラクターなどの農機具の燃料にも活用されています。
びっくりドンキーを運営する株式会社アレフ
環境への取組みを積極的に行っていることで知られる、びっくりドンキーも廃油の回収を行っています。回収された油はバイオディーゼル燃料(BDF)、ボイラー燃料、石鹸、飼料などにリサイクルされます。この取組みは高く評価され、環境省から「平成21年度食品リサイクル推進環境大臣賞」最優秀賞を受賞しています。
回収方法は、空のペットボトルに入れた油を来店時に、店内に「てんぷら油回収ボックス」まで、油を持参するだけです。また、びっくりドンキーで廃油回収に協力すると、環境省が推進するエコなアクションに特化した全国型のポイントプログラム「エコ・アクション・ポイント」をもらえます。
エコ・アクション・ポイントはAmazonギフト券やJCBギフトカード、びっくりドンキーのお食事券に変換。店頭で寄付も可能です。リサイクルに貢献できるだけでなく、節約にもつながるのは、嬉しいシステムですね。
ただ、廃油回収を行っているのは、一部店舗になりますので、来店前に確認しておきましょう。
参考:びっくりドンキー 環境への取り組み
廃油はリサイクルできる貴重なエネルギー資源!循環利用を考えよう!
今回は、家庭から排出される食用油などの廃油のリサイクル・回収方法について紹介しました。このほかにも地方自治体が廃油回収を行う地域もありますので、確認してみるといいかもしれませんね。
日本は、石油など多くのエネルギー資源を輸入に頼っている状態です。しかし、毎日のように家庭から排出される食用油を活用することで、石油資源に依存しないエネルギーの循環型社会を実現できるかもしれません。
収穫した植物が食用油になり、料理に使ったあとは車の燃料やさまざまな製品に生まれ変わり、使い切る。排水口に流してしまう、固めて捨てて燃やしてしまうだけでは、水質汚染や二酸化炭素排出量を増加させる原因になります。貴重な資源のリサイクル・回収に協力し、地球の資源の循環に貢献してみましょう!
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