先日とある雑誌で、「南極地域観測隊が実践している、食品ロスをなるべく出さない工夫」を紹介していました。野菜を皮まで食べるだけでなく、煮汁もなるべく捨てずに料理に活用するのだそうです。
そんな食品ロス削減の工夫を私も参考にして、今が旬の伊予柑(いよかん)の皮を使ったジャム作りに挑戦!さらにジャムを煮物にも活用し、煮汁もソースやドレッシングにして、余すことなく活用してみました。
そこで今回は、我が家の5歳の息子も「苦くない!」と美味しそうに食べてくれた、伊予柑の皮ジャムの作り方と食べ方などをご紹介します。料理があまり得意でない私でも簡単にできたので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
伊予柑の皮の苦みを抑えたジャムのレシピ
まずは伊予柑の皮や実を使った、ジャム作りをご紹介します。ちょっとしたコツで、子どもでも食べやすい、苦みを抑えたジャムができますよ!
皮の表面1mm以内を剥けば苦くない
「柑橘類の皮は、どの部分が苦いんだろう…」と思い、苦み成分がどこに存在するのか調べてみました。すると、なんと皮の表面から1mm以内の部分に、苦み成分が多く含まれているのだそうです。
そこで私は、伊予柑の皮をピーラーでできるだけ薄く剥いてみました。あまり厚く剥きすぎてしまうと、皮のすぐ下にある油胞(皮を折り曲げると酸っぱい汁が出てくるところ)を壊してしまうのだそうです。すると爽やかな香りが損なわれるようなので、なるべく薄く剥くようにしましょう。
材料
今回は伊予柑を使いますが、そのほかの柑橘類の果物(ポンカンや甘夏など)でも作れると思いますので、チャレンジしてみましょう!皮まで食べるので、なるべく減農薬や無農薬のものを使用するのがおすすめです。
- 伊予柑 1つ (250gくらい)
- 砂糖かグラニュー糖 伊予柑の重量の40%くらい (今回は100g)
- 水 適量
レシピ
次に、伊予柑ジャムの作り方をご紹介します。
- 伊予柑の皮をよく洗ったら、皮をなるべく薄くピーラーで剥く(油胞を壊さないようにする)。
- 包丁の刃元を使って、6等分くらいに切り込みを入れる。
- 切り込みに指を入れ、手で皮を剥く。
- 果実の薄皮を剥いて、中身と薄皮に分ける。薄皮は包丁で細かく刻む。
※薄皮にはペクチンが入っているので、一緒に入れると、とろみがつきます。 - 皮の内側の白い綿は、スプーンで削いで、なるべく取り除く。
※綿も苦みの原因になるので、なるべく取り除きましょう。 - 皮を包丁で細切り(なるべく薄く)にする。
- ボールに入れた水の中で、皮を手で集め、強く握って搾る。
※搾ることで苦み成分が出てきます。 - ざるで水を切り、手で皮の水を搾る。
- 7と8の工程を4回繰り返す。
- 鍋に皮と砂糖、実、刻んだ薄皮を入れる。鍋の中の材料がひたひたになるくらいの水を入れたら、中火にかける。
- 沸騰したら弱火にし、水気が少なくなるまで煮る。
※焦げ付かないように、ときどき混ぜましょう。 - 水分が飛び、とろみが出て、あめ色になったら完成!
完成したてのジャムを5歳と7歳の子どもたちに食べてもらうと、「苦くな~い!美味しい!」と喜んでくれました!私も食べてみましたが、苦味はなく、伊予柑の爽やかな香りは残っていて、美味しく食べられました。
皮の表面を薄く剥き、水の中で搾って苦み成分を出すだけで、子どもでも美味しく食べられるようになります。
伊予柑の皮ジャムの食べ方!煮汁も捨てずに使うエコレシピ!
「ジャムの食べ方って、パンに塗る、ヨーグルトに入れるくらいしか思いつかない…」
そう思われる方も、多いかもしれませんね。
実はジャムは、お菓子にはもちろん、豚肉料理との相性も抜群なんです!ここでは、伊予柑の皮ジャムを使った、豚バラブロックの煮込み料理や、煮汁を煮詰めてソースに活用する方法、お菓子作りをご紹介します!
伊予柑をほとんど捨てずに食べられるエコレシピに、チャレンジしてみましょう!
豚バラ肉の伊予柑ジャム煮
今回は冷蔵庫に豚バラブロックがあったので、豚バラ肉の伊予柑ジャム煮を作りました。バラ肉でなくても、モモ、肩ロース、ロース肉でも美味しいく作れると思いますので、お好みの部位で作を使ってみてくださいね。
<材料>
いつも冷蔵庫にある調味料だけで作れますよ!
- 豚バラブロック 約500g
- しょうゆ 50ml
- 酒 50ml
- 水 400ml
- 砂糖 小さじ1
- すりおろしニンニク 小さじ1
- 伊予柑の皮ジャム 約150g
<レシピ>
作り方を紹介していきます。
- フライパンで豚バラブロックの表面をこんがり焼く。
- 鍋にすべての材料を入れ、蓋をして40分くらい中火で煮込む。
※圧力鍋の場合は20分程度でできます。 - 蓋をとり、煮汁を飛ばしながら弱火で煮込む。煮汁が少なくなって、お肉に照りがついたら完成!
しょうゆの甘辛い味と、伊予柑のやさしい甘さがマッチします。豚肉の油のおいしさを、さっぱりと楽しめますよ。
豚挽き肉ソーセージの伊予柑ジャムソースがけ
豚バラ肉の伊予柑ジャム煮で残った煮汁は、捨てないでください!そのまま冷蔵庫に保存しておきましょう。次の日の夕飯で活躍してくれます。私の場合は、豚ひき肉の手作りソーセージに、ソースとしてかけました。
<材料>
まずは、材料を紹介していきます。
- 豚ひき肉 約250g
- 塩 適量 (クレイジーソルトでも美味しいです)
- こしょう 適量
- ナツメグ (なくてもOK)
- 伊予柑ジャム煮の煮汁
<レシピ>
次に作り方を順に見ていきましょう。
- 煮汁に浮いて固まった脂を取り除く。煮汁を鍋に入れ、お好みの濃さに煮詰める。
- ボールに豚ひき肉、塩、こしょう、ナツメグを入れてよく揉む。
- 2を保存袋に入れる。保存袋の角をハサミで切り、フライパンの上に5cmくらいずつ搾り出す。
- お肉が焼けたらお皿に盛り付け、煮詰めた煮汁をかければ完成!
子どもも主人も、パクパク食べてくれて、あっという間になくなりました!
使い切れなかった煮汁は、少しだけお酢を入れて、ドレッシングに。翌朝サラダにかけて食べ、すべての煮汁がなくなりました。
伊予柑ジャム入りパウンドケーキ
伊予柑ジャムをパウンドケーキの中に混ぜて焼くと、伊予柑の風味を味わえるおやつに。紅茶のお供に、ぴったりです。
<材料>
材料は以下の通りです。
- ホットケーキミックス 200g
- ヨーグルト(無糖) 120g
- 卵 2個
- 溶かしバター(有塩でもOK) 30g
- 砂糖 30g
- 伊予柑の皮ジャム 約150g
<レシピ>
パウンドケーキの作り方を紹介していきます。
- オーブンを180℃に余熱しておく。
- ボールに材料をすべて入れ、混ぜ合わせる。
※混ぜすぎると膨らまなくなるので、粉っぽさがなくなるまでが目安です。 - パウンドケーキ型にクッキングシートを入れ、生地を全量流し込む。
- 180℃のオーブンで40分焼いたら完成!
お好みでパウダーシュガーをかけると、より美味しそうな見た目に。
焼きたてはふわふわの食感を味わえるうえに、伊予柑の香りの蒸気が食欲をそそります!粗熱をとってから食べると、しっかりとした生地の食感を楽しめますよ。我が家では、おやつの時間に、あっという間になくなりました!
皮も煮汁も捨てずに活用!食品ロスや水質汚染を抑える工夫はたくさんある
今回使用したのは伊予柑でしたが、伊予柑一つで4種類もの料理を楽しめました。皮にも煮汁にも、食べ物のおいしさがギュッと詰まっていて、今まで捨てていたのがもったいないと思ったくらいです。ぜひみなさんも、今回ご紹介したレシピを参考にして、いろんな食べ方にチャレンジしてみてくださいね。
果物や野菜を皮ごと食べることで食品ロスを減らし、残った煮汁も別の料理に活用すれば、水質汚染を抑えられます。皮や煮汁の旨味を活用して、少しでも食品ロスや水質汚染の抑制に貢献してみませんか。
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