環境関連の試験に、大企業が取得を推進する「eco検定」というものがあります。あまり馴染みのない試験ですが、年々受験者数が増加している注目度の高い試験なんです!
ここでは、今注目のeco検定がどんな内容なのか、試験対策やメリットまでご紹介します。環境問題に興味のある方は、ぜひこの記事をご覧になって、今年の合格を目指してみましょう!
目次
eco検定とはどのような試験なのか
それではさっそく、eco検定とはどんな試験なのか簡単に解説していきます。
eco検定とは
「環境社会検定試験」が正式名称。東京商工会議所が主催している民間の試験で、毎年7月と12月の年2回実施されています。環境に関する幅広い知識が求められ、合格することで環境を意識した生活ができるようになったり、会社でも環境に配慮したビジネスの実現に役立ったりします。
受験料と受験資格
受験料は2019年7月の第26回試験までは、5,400円(税込)。2019年12月の第27回試験以降は、消費税10%になることから、5,500円(税込)となります。
受験資格にとくに制限はなく、どんな学歴・年齢・性別・国籍の方でも受験が可能です。
どんな人が受けているか
「持続可能な社会」の実現のために、環境に関する取組みを行っている企業の会社員の受験者数が多いようです。東京商工会議所のデータによると、近年は毎年全国で2万人以上の受験者がおり、製造業、建設業、小売業、短大・大学・大学院の順に多いとしています。受験者数は年々増加しており、注目度が高まっている試験なのです。
問題数と出題形式
問題数は全10問で、マークシート形式です。さらに各問に対して5問か10問の問があります。制限時間は2時間と、少々長めの試験時間です。よく出題される形式には、以下の3パターンとなっています。
- 正誤判定(正には「1」、誤には「2」を記入)
- 択一問題(3~4つの語句か文章から適切なものを選択)
- 文章穴埋め(長文中の括弧に適切な語句を選択して埋める)
試験の内容は、東京商工会議所が販売する「eco検定の公式テキスト」に沿って出題されます。しかし、最近の時事問題に関する問題も出題されるようです。2019年時点では、「改定7版公式テキスト」が最新版となっています。
合格の条件と合格率
70点以上で合格となりますが、合格率は2017年度、18年度ともに70%を上回っています。さらに合格者の約7割がeco検定に要した学習期間は、2ヶ月以内と短期間でした。eco検定は、短期間で取得しやすい資格といえます。
参考:東京商工会議所 検定詳細情報
eco検定の試験内容は主に5つのカテゴリから出題される
eco検定は公式テキストに沿って問題が出題されますが、主に以下の5つのカテゴリから出題される傾向があります。5つのカテゴリ以外にも、時事問題が出題されるため、普段から環境関連のニュースは理解しておくとよいでしょう。
持続可能な社会に向けて
環境問題への取り組みの歴史についての知識など。
地球を知る
地球の自然環境全般(大気・水・海洋・森林・土壌・生態系)と、地球で起きている問題(人口問題・経済と環境負荷・食糧需給・資源・貧困や格差)についてなど、地球全般の幅広い知識。
環境問題を知る
地球温暖化、再生可能エネルギー、生物の多様性と自然共生社会、大気汚染などの地球環境問題、廃棄物処理やリサイクル制度などの循環型社会、地域の環境問題、化学物質、放射性物質などの震災関連についてなど、様々な環境問題についての知識。
持続可能な社会に向けたアプローチ
「持続可能な日本社会」の実現に必要な行動計画や、環境アセスメントについての知識。
各主体の役割・活動
国際機関・政府・自治体の役割や、企業の環境への取組み(CRSなど)、個人の行動、NPOや主体を超えた連携などについての知識。
eco検定の勉強でおすすめの方法
公式のテキストを読み込めばテストに必要な知識は身に付くのですが、300ページちかくもあるため、なかなか時間がかかります。そこでeco検定の勉強には、「eco検定公式過去・模擬問題集」の問題を解くのがおすすめです。
「eco検定公式過去・模擬問題集」は、3回分の過去問と2回分の模擬問題が収録されています。問題集を以下のように解くことで、短時間で効率よく勉強できるでしょう。
- 公式問題集の過去問1回分を全部解く
- 間違えた部分の解答とテキストを読んで学習する
- 別の年度の過去問の1回分を全部解く
- 間違えた部分の解答とテキストを読んで学習する
eco検定の問題は、事前知識がなくて答えられる部分があります。テキストを読み込む前に、まずは過去問1回分を全部解いてみましょう。
解いてみると、自分が理解しているカテゴリと、あまり理解していないカテゴリがみつかるはずです。あまり理解していないカテゴリの解答を読んだうえで、解答に記載されている公式テキスト対応ページを読んでみましょう。公式テキストを読んだ箇所は、マーカーで線を引いておきます。
解答と公式テキストの対応ページを読み込んだあとは、別年度の過去問を1回分解いてみましょう。あまり理解していないカテゴリは、解答を読み込んだあとに、公式テキストの対応ページを読んでマーキングします。
これを繰り返すだけで、理解できていなカテゴリについての知識が身に付きます。あとで公式テキストのマーキング部分を見直せば、苦手なカテゴリを簡単に復習しやすくもなるのです。
eco検定に受かると得られるメリットとは?
民間の検定であるeco検定は、合格するとどんなメリットがあるのでしょうか。学生、会社員、一般の方へのメリットをご紹介します。
就職活動で環境保全に取り組む企業へのアピールポイントになる
学生の場合は、eco検定が就職活動に役立つかもしれません。東京商工会議所のeco検定に関するサイトでは、eco検定推進企業が紹介されています。
紹介されている企業には、イオン株式会社や旭硝子株式会社、株式会社バンダイなどの大企業が多く、大企業がeco検定に注目していることがわかります。eco検定に合格していれば、環境活動に力を入れている企業へアピールでき、就職活動で有利になることもあるのです。
参考:東京商工会議所 eco検定推進企業ご紹介
企業の環境教育やCSR活動に役立つ
取引先へ自社が環境に配慮した取り組みをしていることをアピールするために、環境教育やCSR活動に力を入れている企業が多くみられます。
CSRとはCorporate Social Responsibilityの略で、企業の社会的責任のこと。企業が運営するうえで、社会に悪い影響を与える可能性があることに対して、責任をもって適切な対応をすることをいいます。CSRの具体的な活動例は、地球環境への対応や、ボランティア活動などの社会貢献活動などです。
eco検定に合格している社員が多い企業ほど、企業の環境教育が徹底していることになります。 企業のイメージアップにつながり、CSRレポートを作成するうえで環境活動に積極的に取組んでいるというアピールにもなるのです。
環境に配慮した生活ができるようになる
eco検定で得られる知識は、就職活動や企業での活動だけでなく、普段の生活にも役立ちます。例えば、環境問題にはどのような例があるのかを理解できたり、地球の自然環境全般についても学べたりするため、環境に配慮した生活を心がけられるようになるのです。
単に環境問題の種類を知っているだけでなく、そのしくみを知ることで理解が深まり、どのような対策が必要かも考えられるようになります。さらに環境関連のニュースについても理解できるようになるため、より環境問題に興味や関心をもてるようになり、知識を深められるのです。
今年はeco検定を取得して、環境にやさしい生活や企業の環境活動に貢献しよう!
eco検定は、合格率70%以上と合格率の高い試験です。しかし、環境関連の知識を深めたい方、就職活動でアピールポイントに使いたい方、企業の環境活動に役立てたい方など、幅広い層に役立つ試験といえます。
勉強に要する期間は約2ヶ月と短いため、気軽に受験してみることをおすすめします!大企業が取得を推進するeco検定に、今年はチャレンジしてみませんか。
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